これまで、宿泊予約はネット予約が主だったということもあり、直接予約がどのようなメリットがあるかなど考えたこともありませんでした。 今回、御宿を予約するにあたって宿主が作り上げたホームページをじっくりと見させていただきました。とにかく情報量の多いことには驚かされました。 予約前に4~5回、予約完了後に3回ほど見ましたが、延べにして12時間以上見ただけでは、全体の1/100も見ていないであろうという印象を受けました。 特に感心したことは、様々の視点から広く、深く、徹底して情報を集めていることです。 その中でもすごいのは、宿泊して分かったことですが、建物の構造が非常に複雑であり積雪量が2mを超す会津地方の雪の重みで建物が変位し、窓や障子が開かなくならないかという疑問でした。 この疑問が解決されたのは、ホームページにある雪下ろしの映像と、社員の方から聞かされた「私と番頭さんで、新雪が降る度に雪下ろしをするんです。」というその一言でした。 わたしも、雪国秋田で生まれ育ちましたから、積雪荷重の大きさが中途半端で無いことは知っています。しかし、新雪ごとに雪下ろしをするという仕事の頻度については予想外の答えでした。 これこそ、すべての社員が精神誠意尽くして、この貴重な文化遺産を守っていくという真の人間性の表れでないかと、ほんとうに感動を覚えました。 建物も素晴らしいが、その建物を支えている従業員のみなさま方の、熱き情熱こそ真の財産だと気づかされた思いです。 玄関に足を踏み入れた瞬間から、翌朝に若おかみをはじめとするみなさま方に見送られて向滝を後にするまでのすべての時間に、私たちは完全に魅了させられました。 この建物と、すばらしい接待のこころを次世代に継承されることを期待しております。 ありがとうございました。
中庭の江戸彼岸桜が八分咲きの4月22日 ききょうの間に宿泊 藤田範子
藤田 範子さまへ おはようございます、向瀧の平田裕一です。この度はご宿泊&お書き込みありがとうございます。かなり研究なさってお泊まりいただいたんですね。嬉しく思います。このHPは1996年からずーっと毎日更新を続けております。会津をよりわかりやすく伝えたいと思って書いています。またに「読み切れない!」とお叱りもいただきますが、、、ご勘弁を。 雪下ろしは、大切ですね。2001年の大雪(29年ぶりの、と報道があった)では、瓦屋根を壊しました。その教訓から、新雪が降ると必ず棟瓦、軒先を手入れして屋根を回ります。それでも、重い雪は建物に応えます。もう体力勝負で冬を乗りきります。 この建造物をいつまでも現役の宿屋として生き続けることは、我々の使命であり、楽しみであります。そのために建物も接客も絶えず見直しています。 変えるべきところは変え、変えてはいけないところは変えない、姿勢でこれからも磨き続けます。 また、お待ちしております。ありがとうございます。 (写真は2015年2月、チョッと雪を溜めすぎました)
|